ハラスメントは
人を困らせること、嫌がらせです。
余りにも数が多く
益々種類が増えるハラスメント問題は
人と人が会話できないほどに増加しています。
ハラスメント問題は
働く人の誰もが関わりうる可能性があり
企業の
コンプライアンス上の最重要問題として
対策が求められています。
近年
雇用慣行賠償保険
いわゆる
ハラスメントなどの不当行為に対して
従業員から起こされた賠償請求を補償する保険が
中小企業に急速に売れ始めた理由は
訴訟があった場合の
中小企業の存続にかかわる回避のためです。
1.セクシャルハラスメント(セクハラ)
相手の意に反して
「性的発言・行動」によって
相手に不利益を与えたり、相手が不快に感じる行為の
「性的嫌がらせ」です。
職場などにおいては2つに分類されています。
①対価型セクシュアル・ハラスメント
職務上の地位や権力を利用して
性的な言動を行い、
拒否など、その労働者の対応によって
減給、降格、配置転換、解雇など不利益を負わせる行為。
②環境型セクシュアル・ハラスメント
性的な言動により
労働者が不快や苦痛に感じ
労働者の能力の発揮に悪影響を及ぼす事で
就業意欲の低下や
業務に専念できない、出勤できないなど
働く環境に支障が生じることです。
2.パワーハラスメント(パワハラ)
地位の強い者による
権力(パワー)や立場を利用した嫌がらせですが
「地位」に限らず、
先輩・後輩間や同僚間、
部下から上司に対して行われるものもあり
専門知識、経験など仕事が出来るといった
「優位性」を背景に
繰り返し精神的、身体的苦痛を与え
職場環境を悪化させる行為です。
厚生労働省の6類型の典型例
①.身体的な攻撃
暴行・傷害
②.精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
③.人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
④.過大な要求
業務上明らかに不要なことや
遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
⑤.過小な要求
業務上の合理性なく、
能力や経験とかけ離れた
程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
⑥.個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること
3.モラルハラスメント(モラハラ)
モラル(道徳)に反した嫌がらせのことで
言葉や態度、文書等による
継続的に行われる精神的な暴力暴言、精神的虐待です。
肉体的な暴力とは違い
「見えない暴力」とも呼ばれ
陰湿に継続的に嫌がらせが繰り返され
巧妙に人格や尊厳を傷つけていきます。
肉体的暴力以上に
自信を失うほど心の傷は深く、
精神的に追い込まれていることに気付かぬことが多く
心身に破壊的な影響を与えてしまうため
「精神的な殺人」「魂の殺人」であると言われています。
「まさかあの人が?」と
被害者以外の人には「良き人」に見られることが多く
「俺がいないとあいつは何もできない。」などの
優越感を出す加害者は
相手の価値や存在自体を否定し
周囲にも、相手本人にも気付かれないように
優しい言葉、巧妙な操作によって傷つけ
相手を支配、制御しようとします。
相手となる被害者は
日常的に繰り返されるため
顔色をうかがうようにもなり
「自分が悪いのではないか?」
「自分に原因があるのではないか?」と
思考してしまう程、苦しみの原因もわからず
「この人に付いて行こう。」
「自分は必要とされている。」と
加害者に常識性、必要性を植え付けられ
束縛されてしまいます。
何故かと言うと
加害者の怒りや喜びすべての気持ちや責任を
巧みに被害者にすべて押しつけることによって
加害者の優位を保てること
加害者の苦しみが転換されること
そして
被害者が破壊していくのを見るのが楽しいからです。
被害者自身がモラハラの被害に気づき、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)など
心の病を発症してしまう前に
精神的な関係を断ち
加害者の支配から脱出し自分を守ることです。
4.セカンドハラスメント(セカハラ)
ハラスメントの被害を受けた人が
相談したり援助を求めたことで
慰めや励ましの言葉により
被害を受けた人が、更に傷ついてしまう事や
逆に嫌がらせ、責められたりするなど
ハラスメントの二次被害。
「どうしてはっきり断らなかったの」
「あなたが誘ったんじゃないの?」
「被害妄想じゃないの」
「それくらいは普通にあること」
「あなたにも原因はないの?」
「我慢しなさい(できないの?)」
被害に遭っているのに
かばってもらうどころか
更なる被害者を追い詰める
自業自得のような言い方をされたりします。
5.マタニティハラスメント(マタハラ)
妊娠・出産した女性に対する
職場での精神的・肉体的な嫌がらせや
不利益な取り扱いをされることです。
セクハラ・パワハラとあわせ
働く女性に対する
三大ハラスメントと言われています。
働く女性が
産前産後休暇、育児休暇の取得の後など
妊娠・出産・育児をきっかけに
職場で精神的、肉体的な嫌がらせを受けたり
妊娠・出産・育児などを理由に
解雇や雇い止め、降格、自主退職の強要など
不利益を被ったり不当な扱いをされたりします。
「妊娠してるのにそんなに働いて、子どもがかわいそう」
「この忙しい時になんで今のタイミングなの?」
「代わりの人を採用するから」
妊娠時は、
「つわり」など体調が変わりやすく
子供が生まれれば
遅刻、早退、突然当日欠勤する場合もあり
実際には、業務に支障をきたしてしまうなど
周囲の人からすれば
なかなか理解が得られないものです。
妊娠中、負担の多い仕事をさせられたり
嫌がらせによる流産の危険性もあります。
女性労働者が妊娠を理由に、
軽易業務への転換や時間外労働免除等を
請求する権利はあります。
男女雇用機会均等法や
育児・介護休業法、労働基準法において、
妊婦の働く権利は保障されており、
妊娠、出産、子育てを理由にした
解雇や雇い止め、降格など
不利益な扱いは法律によって禁じられています。
6.逆マタニティハラスメント(逆マタハラ)
妊娠・出産・育児を理由に
当事者の行き過ぎた言動によって
当事者以外の人が被害を受けることです。
妊娠・出産・子育てをする社員を
周囲の社員たちがフォローしなければならず
過剰な業務負担を強いらるケースが多いです。
多くの人は
他人の仕事をフォローする余裕がないのが現状で
会社にも余裕がなく
人材不足に職場が対応できていないことです。
子育てをする女性に気を遣うのは
優良な会社ですが
フォローをしている社員を
優遇できないから逆マタハラが起きてしまうのです。
「周囲がフォローしてくれて当たり前」と
働き続けたい制度や権利の特性を最大限に利用し
逆手にとって当然かのように振舞う態度で
連絡もなし
早退や欠勤を繰り返したり、職場の人に迷惑をかけ
社会人として責任感もなく
得をしようと考えている働く気がない人は
退職して育児に専念すべきです。
7.アカデミックハラスメント(アカハラ)
大学などの教育・研究機関において、
教職員が学生や他の教職員に対し、
論文の盗用、研究成果の横取なども含む
権力を利用した嫌がらせ。
①教員の場合
教授からの研究妨害、昇任差別、退職勧奨など。
②院生や学生の場合
指導教員からの退学・留年勧奨、指導拒否、
学位不認定、卒業・進級妨害など。
大学等の高等教育機関における
指導教官と学生との上下関係は、
教官が絶対的であり、
学生の将来を左右することもあります。
8.アルコールハラスメント(アルハラ)
アルコール飲料に絡む嫌がらせ全般です。
・飲まざるをえない状況に追い込む飲酒の強要、
・イッキ飲みの強要、意図的な酔いつぶし、
・飲めない人へに対し配慮を欠くこと
・酔ったうえでの迷惑な発言・行動など
全て人権侵害になります。
飲まざるを得ない雰囲気に呑まれない事です。
9.育児ハラスメント(イクハラ)
育児中に受ける嫌がらせや不当な扱いのこと。
マタニティハラスメントの一種で
育児中や育休復帰時の話をしたいと思います。
労働者の当然の権利として
出産後も、仕事は続けたいと思う訳ですが
現実には
職場や周囲から嫌がらせをされたり、
不当な扱いを受けたりすることがあります。
育児休業は
労働者の性別に関わらず取得が認められていますが
制度があっても理不尽なもので
その制度や措置の利用が阻害される場合があり
休まれると
生産性が落ちて会社は非常に困るわけです。
だから
ハラスメントが生まれるわけですが
育休で1年間休んでいる内に
会社は新体制で成り立っていますから
「もう戦力にならない」
「辞めてもらわなければ困る」
など
一方的な異動や退職を強要されたりします。
育児のため
時短勤務や突然当日欠勤すると
誰かが仕事のフォローせざるを得ませんから
同僚もその休んだ人の分の仕事が増えて困り
「休んでばかりで仕事にならない」と
周囲からの冷たい目線や心ない言葉など向けられ
申し訳ないと思いながらも追い詰められて、
退職してしまうケースもあります。
育児休業で妻をサポートする夫が積極的に関わると
パタニティハラスメントの被害にも及びます。
防止措置を講じるのは、事業主の義務であり
不利益取扱いに対しては
正当な理由ですから話し合って下さい。
10.エアコンハラスメント(エアハラ)
エアーハラスメントとも呼ばれていますが
会社で「省エネ」「エコ」などと称し
節電を理由に
猛暑日でもエアコンの使用を禁止する行為。
または
体調が優れなくなるほどの設定にしたり、
「暑い」、「寒い」などの意見も聞かずに
温度変更をしたりする空調に関する嫌がらせで
男性と女性の温度感覚に差がある事は
周知のごとくです。
11.エアーハラスメント(エアハラ)
真剣な雰囲気や和やかな雰囲気など
意図的に場の雰囲気を悪くしたり
人の評価を下げたり
または、無意識に
その場の雰囲気を壊す発言や態度で
周囲の人を不快にさせることで
精神的なダメージを与える嫌がらせです。
話し合い中に
勝手なマイルールを持ち出してきたり
突拍子のない発言をしたり
その場に合わない、かけ離れた言動をとる
空気(エアー)が読めない人の「KY」のことを言います。
12.エイジハラスメント(エイハラ)
エイジは年齢、世代、時代の意味で
年齢や年齢差を理由に
相手に不快感を与えたり、人格の尊厳を傷つけたり
不適切な言動や指導や命令などを指します。
本来の意味は、
役職に付いていないような中高年社員に対する
年下の社員からの嫌がらせ、いじめを指します。
最近では
中高年社員や、若手社員に対しての、
年齢による差別です。
中高年に「もう歳なんですから・・・」とか
若者に「若いくせに・・・」とか
「じじい」、「ばばあ」、「最近の若造」など
年齢をネタにした言葉がエイハラに当たります。
介護施設などでの
高齢者に対し、無理矢理食事を口に運ぶことや
ベッドに縛り付けることもエイハラに該当します。
13.エレクトロニックハラスメント(エレハラ)
インターネット上で行われる
サイバー犯罪とは異なり、
電波や電磁波、レーザーなど高度な電子技術を使用し
衛星や見えない遠隔から人体を攻撃し、
人間の神経に作用する
痛みやけいれん、耳鳴りなどの妨害や
睡眠妨害など身体に悪影響を与える嫌がらせ。
また
監視・追尾や、電子機器を攻撃する犯罪だと言います。
被害者によると
電磁波レーダー等により
心身に様々な悪影響を与えるように調整された
電磁波、音波信号等を照射され
疾患を引き起こしていると言いますから怖い話です。
一方
精神科医などの専門家では
精神疾患による妄想の可能性があると指摘しています。
14.エンジョイハラスメント(エンハラ)
仕事に限らず
楽しむことを強要して、人を嫌な気持ちにさせる事で
自分が楽しいからと言って、
それを好んでいない相手に押し付けることです。
仕事は楽しく出来るにこした事はありませんが
「仕事は楽しんでやるべき」と押し付けるべきではなく
仕事に対するモチベーションは人それぞれであります。
それ以前に
適した環境が必要であると思います。
15.お菓子ハラスメント(オカハラ)
特定の人にだけお菓子を配らない嫌がらせや
旅行に行った際のお土産を強要する行為。
旅行や出張などのお土産やお菓子を
気に入らない相手にだけ渡さないという
「お菓子外し」です。
16.終われ(就活終われ)ハラスメント(オワハラ)
就職活動中の学生に対し
企業側が行う嫌がらせや不利益をもたらす言動や行為。
就活者に対して
自分の会社に来てほしいため、
内定を出すことを条件に、他社の内定辞退の強要や
就活を終わらせるように強要する嫌がらせです。
面接の間隔をわざと長く伸ばし、
他企業を受けにくくしたり
早期の内々定を出す事自体も該当します。
「内定承諾書」には法的拘束力がありませんので
会社側は
就活者から内定辞退の連絡を受けた際
内定辞退を認めなかったり、怒ったりする行為も該当します。
17.家事労働ハラスメント(カジハラ)
本来の意味は
「家事や育児、介護などの家庭責任が、
不当に過小評価されていること。
そうした責任を
主に担う女性の負担を無いもののように
扱っているという問題」のこと。
つまり
当然のように家事や育児を妻に押し付けているという
家庭での問題提起から生まれた考えです。
最近では、
夫が家事を手伝うようになりましたが
その手伝い方などが
妻にしてみればダメだ、不充分ということで
妻から夫へのカジハラという意味で用いられでいます。
そもそも
妻が「家事をやる」、夫が「手伝うもの」と
決め付けが問題です。
18.カスタマーハラスメント(カスハラ)
クレーマーハラスメントとも呼ばれ
消費者(カスタマー)による
「返金」「賠償金」「支払い拒否」などの
自己中心的で理不尽な要求や
悪質なクレームなどの迷惑行為。
顧客側から提供側に対し
正当な主張と言えるケースもあれば
明確な過失がないにもかかわらず
執拗に謝罪や対価を要求したり
暴言や暴行、威圧的な言動をとる行為を指します。
「客は神様だ」
「金を払っているのはこっちだ」
「土下座して謝れ」
「家まで謝りに来い」
サービス業をはじめ、公共機関や病院など
顧客と接する様々な場所で起きています。
19.カラオケハラスメント(カラハラ)
職場などで
カラオケが苦手な社員に対して
歌うことを無理強いしたり、
強制的に歌わせたりする嫌がらせや。
「歌うの嫌いではないが、
宴席でのカラオケは嫌い」という人もいますから
カラオケが苦手な人であれ、得意な人であれ
「歌いたくない」と訴えている人に
歌うことを強要するのは好ましくありません。
20.キャンパスハラスメント(キャンハラ)
キャンパス(実習先、就学及び就業の場等)内に
起きる様々な嫌がらせ行為で
優位な立場、職務上の地位を利用して
相手側に不快感や不利益を与え、人権を侵害し、
教育・研究並びに就労環境を悪化させるこことです。
職員間のハラスメントは
職場でのハラスメント問題となり
職員と学生(労働者でない)では
労働法の関与しない
教育上の関係のみに由来するハラスメントになり
様々な性質が混在しています。
各、キャンパスライフでの
広い意味での人権や人格に関わる嫌がらせを含み
セクシュアル・ハラスメント、
アカデミック・ハラスメント、
パワー・ハラスメントなど
キャンパスハラスメントとして総称しますが
その境界は必ずしも明確ではありません。
21グルメハラスメント(グルハラ)
食事の際の嫌がらせ行為で
自分の食に対するこだわりを
無理やり人に押し付けることを指します。
グルメ知識の押し付け、
自分がおすすめする食べ方の強要、
好き嫌い、おなか一杯に関係なく無理に食べさせるなど。
22.ケアハラスメント(ケアハラ)
別名「介護ハラスメント」で
介護者に対して
介護と仕事との両立を侵害されることや
介護従事者の人権や職域を侵害することです
家族介護をしている人に対して起こるもの、
介護従事者に対して起こるものがあります。
①家族介護に対するケアハラ
介護を理由に
遅刻や早退、欠勤をした場合、
「会社と介護どっちが大事なんだ」
「管理職から降りろ」など
なかなか職場が許してくれない。
介護休暇という制度がありますが
会社に迷惑をかけられないという理由から
取得率は非常に少ない現状です。
②介護従事者に対するケアハラ
介護従事者に対し
利用者本人や家族からの身体的、精神的な暴力や
性的嫌がらせや無理な強要などで
「陰部を洗ってほしい」
「金払ってんだ!言うとおりにしろ!」など
セクハラともなる言動や
本来の職務を逸脱した行為が要求され
不快に耐えきれなくなり
介護士が人手不足の中にあるなか
介護から離脱する介護従事者が後を絶ちません。
23.告白ハラスメント(コクハラ)
相手のことを一切考えずに、一方的な愛の告白をして
相手に迷惑や苦痛にさせることで
恋愛過程もなく突然の愛の告白だったり
面識のない人から告白を受けることもあるようで
「なぜ告白されたかわからない」という人もいます。
告白とは、
強制的に相手との関係を作る行為に当たり
告白する段階に至っていないのに
告白していること自体が間違いのようです。
ある程度の前段階あっての告白ではないでしょうか。
24.子なしハラスメント(コナハラ)
子どものいない人を不快な思いにさせる言動のことで
同様のハラスメントとして
「不妊ハラスメント」と言う言葉が見受けられます。
結婚したら
「子どもを産むのが当たり前」という
価値観を持つ人はいまだに多く、
子どものいない人にその価値観を強制してしまい
不快な思いをさせています。
または、
少子化対策で国を挙げて奨励し
子育てする人を礼賛していますから
さらに心の負担が大きく肩身の狭さに繋がっています。
「何で子どもつくらないの?」
「子どもがいない人は気楽でいいよね」
「子どもがいない人にはわからないよ」
「子どもが欲しくないのに何で結婚するの?」
「子どもを産まないなら結婚する意味がない
「セックスの回数を増やすしかないね」
など
「子どもを産め」と言うことは
「セックスしろ」と言うことですから
セクハラになります。
人にはそれぞれ様々な理由があり
・初めから子どもは持たないと決めた
・望んでいるが授からない
・心体の問題で産むことができない
産むことができなくなった
・仕事の事情、経済的な事情で余裕がなく持てない
など
子どもがいないから
楽をしている訳でも、暇人な訳でもありません。
セックスレスや不妊の夫婦、身体の問題や
気が付けば歳を重ねてしまったなど
妊娠、出産を
あきらめざるをえないこともありますから
その人、その夫婦の価値観に任されるべきです。
25.コミュニケーションハラスメント(コミュハラ)
コミュニケーション障害は
「コミュ障」というネット用語でもあり
コミュニケーションが苦手な人ですが
医学的な観点でのコミュニケーション障害は
言葉を扱って他者とコミュニケーションをとることに
困難が生じる疾患群で
コミュニケーションが苦手と言うより
話すことが苦手だと考えるべきです。
コミュニケーションが苦手、話すことが苦手な人に
「大人しいね」、「しゃべってよ」など
会話に乗ってくるよう強要させてしまう行為。
26.スイーツハラスメント(スイハラ)
スイーツの差し入れが苦痛を招く行為。
スイーツやお菓子のお土産を
職場で配るというのはよくある話で
「どうして食べないの?」と
甘いものが苦手な人や、
その時、食べたくない人、
ダイエット中の人などからすれば
食べなきゃいけない雰囲気が、想像以上に辛いようです。
「ご自由にどうぞ」と
所定の場所に置いてあるならまだしも
わざわざ個人席にまでご丁寧に配るのは迷惑。
いつでも誰でもが
必ず食べたいと思っているわけではないということです。
27.ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
ジェンダーは
社会的・文化的に形成された性別のことで
男性と女性では社会的な役割が異なるという
固定概念が生じて差別や非難、嫌がらせをすることで
性別により
社会的役割が分かれるという考えに基づくものです。
個人の希望や適性、能力を確かめることなく
その人の性別だけで
役割・思考・行動を期待したり
割り当ててしまうことになります。
セクシュアルハラスメントの「性的な言動」に対し
ジェンダーハラスメントは「性別に関する不快な言動」です。
「男(女)のくせに」という発言で相手を罵倒し
男性だけに残業や力仕事をさせる、
女性だけに給仕や雑用をさせるなどが該当し
例として、
「男のくせに泣くな」「男らしくしろ」
「女のくせに意見を言うな」「女らしくしろ」など
性別でその人を判断し、相手を非難することですが
同性同士でもジェンダーハラスメントは存在します。
また
典型的な「男・女」に限らない
多様な性を生きている少数派の人たちを
「性的マイノリティ」と言いますが
性的マイノリティを最小限に表現する、
LGBT
・レズビアン(女性同性愛者)
・ゲイ(男性同性愛者)、
・バイセクシュアル(両性愛者)、
・トランスジェンダー(性同一性障がい者含む、
心と出生時の性別が一致しない人)に対する
ジェンダーハラスメントは
その人の存在そのものを
否定するものになりかねません。
多様な生や性の在り方を認めることが大切です。
28.時短ハラスメント(ジタハラ)
時短とは労働時間短縮のことで
働く人の業務時間の短縮を
無理に強要する嫌がらせのことです。
長時間労働の改善の取り組みが導入されたことにより
「時間内に終わらせろ」
「残業はするな」
「早く帰れ」 など
業務切り上げを強制することです。
労働時間短縮を求められた企業では
この「時短ハラスメント」が新たな悩みとなり
定時に帰らされる現象が起こっても
業務量が変わらないとなれば
残業代のでない残業となる
持ち帰り残業や
タイムカードを切った上での
隠れ残業が増える原因になることになります。
長時間労働により
過労死やうつ病などは問題ではありますが、
単に
労働時間だけを短縮させようとしたに過ぎません。
29.シルバーハラスメント(シルハラ)
シルバー世代は60歳以上ですが
単純に
60歳以上の人に対する嫌がらせだけではなく
高齢者を意味するシルバーで
高齢者に対する嫌がらせのことになり
特に
老人介護が絡んだ嫌がらせのことです。
介護疲れした親族や、介護施設の職員による
肉体的・精神的な嫌がらせ、暴力的な扱い、
介護拒否などの行為で
高齢者虐待問題は
高齢化社会における最重要課題となります。
30.新型パワーハラスメント(新型パワハラ)
合理性のない過小な要求をして執拗に言い続け
嫌がらせとなりうるような行為。
優しさを込めて言っているつもりの上司や先輩、
または
やる気のない上司や先輩が
やる気を見せている部下や後輩に対して
「そんなに頑張ることはない」
「無理するな」などと言って抑えつけたり
仕事の前向きな提案をしても
「今のままでいいんだ」など
取り合ってもらえずに
意欲のある部下がストレスを抱えてしまうことです。
残業をして頑張ろうという部下に対し
残業を禁じて「早く帰って休め」なども
部下のためを思って、
健康を害してほしくないいう思いからでしょうが
一日分の仕事が終わらなければ持ち帰りとなり
社員にとってはモチベーションも下がり
当然、業績も低下をたどるのではないでしょうか。
31.シングル ハラスメント(シンハラ)
独身(シングル)者に対して
結婚を急かすような言動をするもので
「早く結婚しろ」
「結婚したくないのか?」
「いい人、紹介しようか?」
「一人なら帰ってもやることないでしょ?」
「独身だから時間あるよね?残業できるでしょ?」
結婚したい人もいれば、したくない人もいるし
なかなか相手が見つからない人もいれば
理由があってしたくてもできない人もいます。
マリッジハラスメントとほぼ同じ意味ですので
マリッジハラスメントの項もご覧下さい。
32.スクールセクシャルハラスメント(スクールセクハラ)
学校の教育現場における
セクシュアルハラスメントとなる
相手の意に反する性的な言動や行為です。
社会的には有名なのは
教師や部活動顧問による児童・生徒へのセクハラですが
教師同士や児童・生徒同士といったケースも多々あり
教育実習生も含まれます。
学校内という範囲に限定されず
地域の子ども会やスポーツクラブなどの場や
外部講師、家庭教師も含まれます。
また
卒業してからも継続が断たないこともあり
すべて
その後の成長に大きな影響を与えるものであり、
決して許されるものではありません。
33.スメルハラスメント(スメハラ)
スメルは臭いや香りの意味で
臭い・香りにより
周囲を不快にさせる嫌がらせで
ニオイが気になって仕事に集中できないなど
作業効率の低下や職場環境の悪化に繋がります。
体臭や口臭や香水、柔軟剤など臭いですが
人が少しでも「クサい」と感じる種類のものであれば
スメハラとなってしまうということです。
当事者が
悪意もなく、気付いていないことが多く
指摘しにくいという特徴があり
スメハラが発生していて
「クサい」などと叱責した場合、
パワハラやセクハラに該当しかねず
対策をとることが難しい問題があります。
本人に伝えることが一番なのですが、
デリケートな問題だけに
個人の問題だけにせず
職場の適切な対策を講じていくことが必要です。
色々な臭いが指摘されていますが
加齢臭、ミドル脂臭、ワキガ臭、タバコ臭、疲労臭、
ストレス臭、アルコール臭、ストレス臭、汗臭、
ダイエット臭、月経臭、足の臭いなど。
34.スモークハラスメント(スモハラ)
喫煙者が非喫煙者に対して
喫煙を強制したり、
受動喫煙させたりして迷惑をかける行為で
喫煙することを強制、
タバコの煙にさらされるなど
副流煙による受動喫煙となる行為
タバコのニオイも
スモハラとなりますがスメハラとも言われています。
35.ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)
結婚する意思がない、
結婚が決まっていない状態で
結婚情報誌である「ゼクシィ」を見せつけ、
結婚を迫る行為を指し
結婚の強要や圧力、執拗をかける嫌がらせ。
・将来についてしつこく話す
・ゼクシィばかりを熟読する
・新婚旅行をねだる
・強引に親に会わせる
・突然、婚姻届をもらってくる
・子どもができてないのに「できた」と言う
・結婚してくれないなら別れると脅す
など
未婚の娘・息子や親族などに対して
結婚をせかせて
プレッシャーを与える行為も含まれます。
36.SOGIハラスメント(ソジハラ)
ジェンダーハラスメントは
性別により
社会的役割が分かれるという考えに基づくものでしたが
SOGIハラスメントは
性自認・性的指向に対するハラスメントのことで
性の多様性に関する差別的な言動や嫌がらせです。
SOGI(ソジ/ソギ)とは、
Sexual Orientation
(性的指向:好きになる人の性別)と
Gender Identity
(性自認:自己認識している性別)の頭文字で、
「人の属性を表す略称」です。
典型的な「男・女」に限らない
多様な性を生きている少数派の人たち
いわゆる
同性愛者・両性愛者・性同一性障害者など
性的少数者のことを
「性的マイノリティ」と言いますが
LGBTは性的マイノリティーの総称で、
「どんな人なのか」を指す言葉、
それに対して
SOGIは性的指向や性自認という、
「全ての誰もが持っている特性」を表す言葉です。
自分は何性か、好きになるのは何性なのか
セクシュアリティ(人間の性のあり方の全般)は
LGBTの4種類だけではないため
それ以外の性に属する人々などが
含まれていないという問題がありますが
SOGIという言葉を使うことで
性的なあり方の問題が
全ての人間にあてはまる事になります。
あらゆる性的マイノリティを
包括する新しい概念として
SOGIが打ち出されたわけです。
国家公務員の就業規則では、SOGIについて
「偏見に基づく言動」を
懲戒処分の対象にすると明記されましたが
企業についてはまだ、国の指針がありません。
37.ソーシャルメディアハラスメント(ソーハラ)
フェイスブックやツイッターなどをはじめとする
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の
利用者間で行われる嫌がらせ行為。
職場の地位や立場の優位性を背景に、
SNSで部下に「友達申請」を強要したり
投稿を逐一チェックして「コメント」したり、
「いいね!」ボタンを押して絡んできたり
自分の投稿に対する「コメント」を求めるなどの行為で
投稿にコメントしないと
上司との人間関係が崩れるという強迫観念に駆られ
アンフレンドするわけにもいかず
自身のプライベートな話題が上司に
「監視、詮索されてているのではないか」という
疑念を相手に与えてしまうことになります。
38.テクスチュアルハラスメント(テクハラ)
文学作品などの成果に対して
文書の評価を性差別的に行うことで
「女(男)にできるわけがない」と
性差別による誹謗中傷などの嫌がらせで
セクハラに
文章や文献のテクスト(テキスト)を
組み合わせたものです。
現状では、
主に女性作家に対して
日常的には
研究発表論文、企画書などに対して行われる嫌がらせで
「この文章は女が書けるわけない」
「この作品は別の男性ゴーストライターに
書かせているに違いない」
「男のくせに女々しい作品だ」
など
批評や虚偽の事実を吹聴するなどして困惑させる行為です。
39.テクノロジーハラスメント(テクハラ)
テクニカル・ハラスメントとも呼ばれ、
パソコンなどハイテク技術、IT機器の操作に
不慣れな人に対する嫌がらせ。
簡単に解決する内容を
難しい手法で教えたり
わかりそうもない専門用語を使ったり
苦手な機器を使わせたりなど
また、
パソコンが苦手で自分で操作ができない人に対して
「メールで送りましたので・・・」も
テクハラに相当します。
近年では「テクノロジー」の範囲が、
事務機器やAV機器などにも広がっていますが
業務に欠かせないスキルであっても
いくら対応できないからといって
追い詰めたり侮辱的な言葉で叱責したりする
いじめや嫌がらせを行うのは許されることではありません。
40.ドクターハラスメント(ドクハラ)
医師や看護師をはじめとする
医療従事者によって患者や患者家族に対して
暴言、行動、態度、雰囲気などで
不快な思いや精神的ストレスを負う嫌がらせです。
分類としては
①人間失格型
人間として許せない程、患者を傷つける
「私が信用できないなら他の病院へ行って。」
「そんなくよくよした性格だから病気になるんだ。」
②ミスマッチ型
状況を理解せずちぐはぐな言動をする。
「昔だったら死んでたよ。」
「もう子供は作らないだろうから子宮はいらないよね。」
③脅し型
強引に治療に従わせる。
「急いで手術をしないと治らないよ。」
「従えないならどうなっても知りませんから。」
④ゼニゲバ型(エゴ型)
患者の治療や回復よりも病院の利益を優先する。
「治験に入らないと治療できませんよ。」
「あの患者は金にならないから早く退院させよう。」
⑤子どもへのドクハラ型
子ども自身や子どもの治療時に親へ行う。
「食べなきゃ死んじゃうよ。親の育て方が悪いね。」
「こんな病気にしたのは親のせいだからね。」
⑥セクハラ型
産婦人科などで女性患者を傷つける。
「大きいおっぱいだね。」
「生理中だって診察できるんだよ。
症状がひどくなっても知らないからね。」
⑦告知型
患者やその家族を絶望に追い込む。
「もう無理ですね」
「どうせ助からないんだから。」など
心体に不安を抱える患者に対して
医師が診療の中で何気なく発する言葉は
医師自身が考えている以上に
患者にとっては想像以上に重みがあり
納得いく診療と治療を望んでいます。
41.ヌードルハラスメント(ヌーハラ)
麺類などを食べる時、日本人に多く見られる
麺をすすってズルズル音を立てる食べ方が、
特に外国人に対し
不快で精神的苦痛を与えるというもので
「すごくうるさい」」「トイレの音のよう」」と、
不快感を示す人がいるようです。
その他、
猫舌の人に対して失礼だという考え方や
麺をすするのが苦手でからかわれたり
豚肉を食せない宗徒への嫌がらせという見解もあります。
ヌーハラ否定派は大勢いますが
外国人観光客が増加傾向となった今日では
「配慮が必要」という賛成の声もあるわけです。
外国人には麺を「すする」といった習慣もなく
国によっては食事中に音を立てる行為は
「テーブルマナー違反」とみなされていますが
「すする」というのは日本特有の文化であり
すすることで
美味さを味わえる「食」ですから尊重すべきなど
賛否両論、人によって見解が異なります。
42.パタニティハラスメント(パタハラ)
パタニティは父性のことで
育児のために休暇や時短勤務を希望する
男性社員に対する嫌がらせで
社員の希望を妨げるパワーハラスメントの一種で
マタニティハラスメントの男性版です。
男女を問わず、従業員は
1年間原則1回限り育休を取ることができますが
まだまだ
男性の育児参加制度は浸透しておらず
育児休暇による
仕事に対する意欲低下や出世コースからの離脱、
上司からの評価に影響などが懸念され
制度を利用し仕事に復帰したとしても、
処遇などで不利益を受けたりすることがあります。
当然、不当扱いは違反です。
43.ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
何でもかんでも「ハラスメントだ!」と
言いがかりを言って周囲を困らせる行為。
権利を過剰主張した社員が
「ハラスメント」という言葉を濫用し
会社や上司を困らせるという
ハラスメントを注意する動きのなかで
新たな問題がハラスメントによるハラスメントです。
現在
会社で少しでも気に入らないことがあれば
すぐにでも
別の会社へ移ってしまう人の背景には
もらえるものはもらうという意識がハッキリしていて
ハラスメントを理由に
労災の申請や慰謝料を請求する人が増えています。
ミスが多い社員に注意をしたら、
「パワハラだ」と言われてしまい
社員は
「うつ病になったから労災の申請をしてくれ」と言い
会社を辞め、慰謝料の請求をしてきた。
など、
常識に欠けていて組織の低下に繋がり
ハラハラ行為自体が新たにハラスメントを生んでいます。
44.パーソナルハラスメント(パーハラ)
パーソナルは
「個性」「性格」など個人に関する事を言います。
個人や集団などに関わらず
外見などの容姿、クセや趣向などに対する嫌がらせで、
子供から大人まで年齢層の幅が広いのが特徴で
個人的に直接関係することを
からかったり侮辱したり、必要以上に問いただしたり
おとしめるような言動を行い
その人個人の特徴を「いじる」ことです。
身体的特徴の「チビ」「デブ」「ブス」「ハゲ」などや
個性的な性格の人に対し「変な人」「冷めてる」など
自分より下だと思う人に対して
見下している傾向があります。
45.ファミリーハラスメント(ファミハラ)
仕事と家庭の両立を認めないハラスメントのことで
マタハラ・パタハラ・ケアハラの総称をいいます。
①マタハラ
妊娠、出産、育児に対するハラスメント
②パタハラ
妊娠した女性に対するハラスメント
③ケアハラ
介護責任を負う社員に対するハラスメント
ファミハラは
働きかたの違いに対するハラスメントになります。
詳しくは、各項をご覧下さい。
46.フォトハラスメント(ファトハラ)
スマホやデジカメなどで写真を撮り、
その写真をSNS上などに投稿・公開し、
相手に不快な思い精神的な苦痛を与えることで
相手本人に許可なく
SNSに勝手に写真をアップされ
全世界に向けて発信されてしまうことです。
知り合いでも相手本人の
許可を得ずに撮影したり
許可を得ずにSNS上などにアップすれば
勝手に相手の姿が晒されることになるので
意図しない肖像権侵害に遭うことになり
名誉毀損やプライバシー権の侵害となることがあります。
無断での投稿により
写真が悪用されたり、思わぬことで拡散する可能性や
位置情報、個人情報が漏洩するなど
相手をトラブルに巻き込んでしまうケースがあります。
また、写真の背景に
表札、車のナンバープレート(個人情報)や
遊んでいる裸の子ども(児童ポルノ)など
第三者の写り込みの注意が必要です。
47.2人目ハラスメント(フタハラ)
既に1人目の子どもがいる人に対し
「2人目は?」
「子どもは2人いないとかわいそう」
「次は男(女)の子を産め」
などと
言われることで不愉快な思いをすることです。
単身者に「結婚は?」という
マリッジハラスメント。
結婚後は「子どもは?」という
子なしハラスメント。
1人目を産んだら今度は「2人目は?」という
2人目ハラスメント。
言われる側は
プレッシャーやストレスを感じ
ここまで続くと不快を通り越してうんざりです。
金銭的な理由や
作るつもりがない、
欲しくてもなかなか出来ない
不妊治療の末、やっと1人目を授かったなど
子どもを何人、いつ産むかは正解などなく
子どもをもうける、もうけないかは
個々の家庭のデリケートでプライベートな問題です。
48.ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)
血液型ハラスメント(ケツハラ)とも呼ばれている
血液型(ブラッドタイプ)によって
人物の性格を判断し、批判したり、差別したり
相手を不快や不安な状態にさせる言動。
血液型を聞いただけで
非常に不快な思いをする人もいますし
血液型を理由に
プロジェクトから外されたり
就職が不採用になる企業もあるほどです。
日本では
血液型で性格や相性と関係があるかのように
発表する習慣がありますが
血液型診断には
科学的根拠や理論が立証されていませんので
血液型と性格に関する因果関係はありません。
49.プレゼントハラスメント(プレハラ)
プレゼントを贈る迷惑な行為で
プレゼントする側の気持ちを押し付けるものです。
良かれと思ったプレゼントが実は迷惑だった。
プレゼントの数が多くてモノが増えるだけ。
気持ちとはうらはらに
礼儀として
感謝しなければならないのが苦痛であったり
お返しをしなければならないと憂鬱になる
ありがた迷惑なプレゼント。
化粧品や衣類などは好みがありますし
飲めない人にお酒をプレゼントしてもどうかと・・・
たとえ好意の表れであったとしても
相手にとって不快なことになり得ることもあります。
50.プレ・マタニティハラスメント(プレ・マタハラ)
「プレ」は「前」を意味し
「妊活ハラスメント」とも言われていますが
妊活(妊娠するための活動・努力)や、
不妊治療を行なっている人に対して
妊娠する前の段階の
子どもが欲しいと願う時期の嫌がらせや妊娠の妨げ行為。
「子どもは?」と聞かれて嫌になるのも
プレ・マタハラとされていて
「子なしハラスメント」や
「2人目ハラスメント」などとも類似してますが
子どもが欲しいと願望してる人が対象です。
本人のキャリアも関係してきますが
仕事が継続できないとなると
要は
周囲との仕事の兼ね合いや
仕事の都合だけによる理由により
妊娠されては仕事上困るということです。
妊活は報告するものでもありませんが
もし
「妊活したい」と言えば
受容される会社でなければ
「今は仕事を優先してほしい」
「周りの負担が増える」と言われるだけで
予定外にも妊娠をすると
「妊娠してすみません」と
職場で謝罪することもあるようです。
不妊治療中にしても、
治療していることを知られたくないわけですが
隠して仕事を続けるには限界があります。
職場で
不妊治療を打ち明けた直後
担当の仕事を外されたり異動させられたり
まだまだ
不妊に対する理解が得られていません。
治療をしても妊娠・出産できるとは限らず
何年と続けていても、子供が授からない場合もあり
不妊治療には体力、精神力と多額のお金が必要です。
通院回数が多くなれば、
欠勤や遅刻、早退が頻繁になり
精神的にも金銭的にも負担が大きのに
職場では
「早く成功させろ」
「もう諦めたら?」、
「できなかった?何のために休んでいたんだ」
「妊活か仕事か、どちらかを選べ」などと言われ
退職や休職など働き方を変えざるを得ない場合や
「仕事か治療か」の苦渋の選択を迫られる場合もあります。
「妊娠したから解雇」は違法です。
51.ペイシェントハラスメント(ペイハラ)
ドクターハラスメントの逆パターンで
ペイシェント(患者)による
医師や看護師、医療従事者や医療機関に対し
自己中心的で理不尽な要求や
暴言・暴力を繰り返す患者やその家族等の言動が
医療側を追い詰めて身を竦ませていることです。
・執拗に説明を求める患者
・完治の確約を求める患者
・暴力暴言や金品要求を行う患者
・常識を逸脱し医療過誤を主張する患者
・診療報酬を支払わない患者
など
看護師、医師でさえ
「対応に疲れ果てうつ病になった」
「退職した」
「ストーカーや暴力行為の被害を受けた」
という事例がたくさんあります。
医師には応招義務があるため、
正当な事由がない限り患者を拒否することはできませんが
正当な事由が該当し拒否しても
事実と異なる噂がたって風評被害にもなり
医療機関の信用低下につながりかねませんが
もはや「通常患者」ではないとして
問題行動者に対して然るべき対応が必要となります。
52ベイビーハラスメント(ベイハラ)
赤ちゃんが
泣いたり喚いたりしているにも関わらず、
あやすこともなしに放置したり
公共の場所に赤ちゃんを連れて行き
周囲への配慮を怠ることで
精神的・肉体的苦痛を与える行為。
赤ちゃんは
泣くことが仕事ですから仕方のないことですし
公共の乗り物に乗る場合でも
帰省する場合や病院に行く場合もあり
申し訳なく思っても
移動中では逃げ場がありませんし
やむなく
公共の場に連れて行かざるを得ない場合もありますから
少なからずとも、周囲の人の理解は必要ですし
親としては
その場を離れたりといった配慮が必要です。
居酒屋やパチンコ店などに連れ歩くのは論外ですが
親と子が
外出する権利を奪われるのはおかしい話ですが
不快に思う人は
赤ちゃんの問題ではなく、
わきまえていない親の問題として
泣き声が騒音としか受け止められなかったり
または、
不妊治療中だから
泣き声が強烈に苦痛だったりする人もいます。
様々な考え方の違いを認識し
お互いに相手を理解しようという姿勢が大切です。
53.ペットハラスメント
飼い主がペットに対する嫌がらせで
満足に食事を与えなかったり
劣悪な環境で飼ったり
暴力行為を振るうなどの虐待や
一方的な願望による衣服の着用など。
また
ペットの飼い主が公共の場で
ペットが好きでない人に対して行う嫌がらせ。
放し飼いやフンの不始末、
ノーリードや飲食店への連れ込みなど
すれ違う苦手な人にとっては不快、恐怖でしかありません。
飼い主が
ペットを可愛がっているからと言って、
周りの人たちも動物が好きな人ばかりとは限らず
アレルギー体質のために近付けない人も
動物が嫌いな人もたくさんいます。
遵守すべきしつけやマナーが求められます。
54.マリッジハラスメント(マリハラ)
マリッジ(結婚)に関するハラスメントで
単身者に対し周囲の人間が、
結婚や交際を執拗に詮索することによって
単身者を責めたり、不快感や苦痛を与えることで
パワハラの「個の侵害」である
「私的なことに過度に立ち入ること」 にあたります。
恋人がいないと
「いい人紹介しようか?」
恋人がいると
「結婚しないの?」
「結婚しないなら別れろ!」
結婚しないと
「早く結婚しなさい」
「だから結婚できないんだよ」など
マリハラ被害者は
結婚を勧められるから
仕事を理由してに帰省しない話もよく聞きます。
本人が望んでいない
交際や婚姻を迫る余計なお節介ですが
周囲の人の良かれと思う好意により、
悪意や悪気がないという特徴がありますから
被害を訴えづらいという背景に対し
自分なりの結婚観、価値観を示し理解を求め
結婚するしないは個人の自由です。
また
「独り身から、残業する時間あるだろ」というのも
マリハラにあたります。
55.ラブハラスメント(ラブハラ))
恋愛及び性に関する話題を
公共の場や相手の面前で持ち出し
本人が嫌がっているのにも関わらず
執拗に聞いたり干渉したりすることで
相手に精神的苦痛を与えるなどの言動全般を指し
セクハラの「環境型セクハラ」や
パワハラ、モラハラの一種でもあります。
・恋愛、結婚の強要。
・見た目や年齢で恋愛経験の有無を決めつける。
・性交渉について尋ねたり
性交経験の無い、または少ない男女をからかう。
・恋愛経験の無い、またはそのつもりのない人に、
公共の場で故意に恋愛経験を尋ねる。
・恋愛に興味のない人に対し、恋愛観を無理やり押し付ける。
・挙句の果てに説教を始める。
など
恋愛、結婚、性交というプライベートなことを
公の場で嬉々として話したり
相手の恋愛事情を必要以上に探ったりするような行為です。
多様な考え方を持った人がいるわけですから
恋愛や結婚に
興味がない人に話をしても多大な苦痛をもたらすものであり
また
結婚したくて、恋人を探している人に
「まだ結婚しないの?」などの言葉はラブハラにあたり
恋愛や結婚に興味があっても、
努力しても恋愛が不可能な人は存在するのであって
恋愛が成就できる人と成就できない人がいますから
恋愛事情は他人が言うものではありません。
56.ランチハラスメント(ランハラ)
ランチを一緒に食べに行くことを強要される行為。
昼休みはほっと一息つける貴重な時間で
人との関わりから解き放たれようとする
ストレス発散、自己防衛でもあり
1人でのんびりと楽しいはずの食事が
毎回のように誘われたり、
人間関係を壊したくない思いなど独特の雰囲気で
断りたいけどなかなか断れず
人に合わせなければならない気遣いが苦痛でもあります。
たまには
「お付き合い」として伴うことも必要とは思いますが
人によっては
毎日ランチに誘われていたら疲れます。
お弁当をもっていったり
見栄を張らず、金欠を理由にすれば
さすがに「おごる」までは言ってこないと思います。
他人と適度な距離を保つのもワークスタイルの内です。
57.リストラハラスメント(リスハラ)
リストラ対象者に対して嫌がらせを行って、
労働者を自主退職に追い詰める
パワーハラスメントの一種でもあります。
自主的な退職になるよう仕向けるため
「退職勧奨」という
自己都合による退社を勧める方法があり
退職勧奨を断ると
・突然上司が厳しくなった
・自分の席が突然別室に移された
・不当な配置転換
・単純な作業しか与えられない
・能力に見合わない業務を押し付けられた
・無能だからリストラ対象者に選んだ
など
リスハラは
社員からの自主退職であれば、退職金を削減できるため
企業側が解雇(会社都合)のリスクを回避する手段であり
あの手この手で自主退職に追い込み
退職せざるを得ない状況を作ることです。
ハラスメントの防止義務は、会社にありますが、
そもそも会社側の意思で嫌がらせが行われていることから
非合法な行為であるため、個人で対応することは困難ですが
脅迫や嫌がらせなど過度の退職勧奨は
退職強要として違法とされる可能性があります。
58.レイシャルハラスメント(レイハラ)
レイシャルとは、
「人種に関わる」「人種についての」といった意味で
特定の人種や民族、国籍、地域において、
人種的偏見に基づく
嫌がらせ、暴力、いじめなどの行為や差別で
人種差別であり人権侵害です。
「日本語話せるの?」
「〇〇語、話せないの?」
「あなたは〇〇人らしくない」
「あなたの国はどうして・・・なの?」
「外国人だから仕方ない」
「国に帰れ」
「外国人お断り」
外見的にも目立ち
肌の色、髪の毛の色、目の色など
属性を理由に
考え方の違いを結びつけて評価したり、問いただしたり、
隣に座ろうとすると席を離れるなど
仕事や給与面において不利益な扱いや
侮辱的、否定的、排除的にされたり
攻撃的言動、直接的暴力など
職場や学校などあらゆる場所で
配慮を感じられない言動に悩み、
精神的な被害が生じています。
その人物の属性が問題ではなく
言動や行為を問題にすべきものであって
国や宗教、身体的、文化的特徴について
理解することが大切です。
59.レリジャスハラスメント(レリハラ)
特定の宗教を信仰する人に対する、
身体的、精神的、経済的な嫌がらせを指します。
宗教に関しては
それぞれの宗教観があると思いますので
差し控えます。
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