4月4日は
「トランスジェンダーの日」です。
「TSとTGを支える人々の会」が制定しました。
「性別とは何か」、
「男と女」だけではとらえきれない
性の多様性について、
広く社会的な理解を深て頂く日、とされています。
この世の中、
男性と女性だけだと思っていませんか?
様々な心を持ち、様々な人々が存在し、
難しく切実な問題でもあります。
3月3日の桃の節句が女の子のお祭り
5月5日の端午の節句が男の子のお祭り
その間にあたる4月4日が、
「トランスジェンダーの日」であり
「TSとTGを支える人々の会」では
「オカマの日」としては制定していません。
4月4日、「オカマの日」は
大阪のニューハーフパブの間で
決められたものと言われていて
ある機関が正式に制定したものではありません。
同じ日ではあるものの
「オカマ」と「トランスジェンダー」が
同じという意味ではありません。
「トランスジェンダーの日」の成り立ち
1995年5月
埼玉医大倫理委員会へ
「性転換治療の臨床的研究」を申請。
1996年7月
埼玉医科大学倫理委員会の
性転換症の手術の手術療法の倫理性を審議し
「埼玉医科大学倫理委員会答申」の発表を受け
それを契機に
性同一性障害などの自助・支援グループである
「TSとTGを支える人々の会」が発足し
1999年2月に同会が
「トランスジェンダーの日」と制定し
日本記念日協会が承認した日です。
そして1998年10月に
日本で初の「公の医療」行為として
性別適合手術(SRS:Sex Reassignment Surgery)が
施行されました。
性別適合手術(性転換手術)とは
内外性器に関する手術を指し
女性から男性への手術は「FTM SRS」
(Female to Male SRS)
男性から女性への手術は「MTF SRS」
(Male to Female SRS)
身体の性別は
染色体や生殖器で判別され
心の性別は
自分が認識する「性自認」のことです。
身体は男性であるのに、
「自分は女性である」となると
性自認は「女性」ということになります。
トランスジェンダーとは
TGとは
トランスジェンダー(Transgender)。
「性別越境者」と訳されます。
「トランス」と「ジェンダー」の合成語で
「トランス」は
ラテン語で「乗り越える」や「逆側に行く」を意味し
他の語の前に付いて用いられる接頭語です。
「ジェンダー」は英語で「性」を意味したもので
社会的・心理的性別を指します。
向こう側(Trans、トランス)の性を生きている人々で
身体の性と心の性が一致しないが、
形成外科的(性転換)手術までは
望まない人を指します。
性同一性障害や
トランスセクシュアル、
トランスヴェスタイト 、
X(エックス)ジェンダーなどを含む
広く包括した呼び方でもあります。
TSとは
トランスセクシュアル(Transsexual)。
性転換症のことで
肉体上の性別と
自分の意識する性別が一致しない状態にあり
生まれ持った身体の性と心の性の違和感を
特に強く感じている人たちのことで、
心と身体の性を一致させるために
形成外科的(性転換)手術を強く望む人を指します。
手術前の場合をpre-op TS(プレオペ)、
手術後の場合をpost-op TS(ポストオペ)と
区別して表現することがあります。
性同一性障害(Gender Identity Disorder, GID)とは
自分は男なのに「本当は女として生きるべきだ。」
自分は女なのに「本当は男として生きたい。」という
自身の身体の性別を十分に理解しているものの、
自身の性同一性に一致しない人であり
障害という言葉からも分かるように「医学用語」です。
日本の
日本精神神経学会の診断では
性同一性障害は
生物学的には完全に正常で
精神障害によるものでないことから
精神病者ではないという診断です。
トランスヴェスタイト(Transvestite, TV)とは
クロスドレッサー(Cross-dresser, CD)とも言われ
異性装者のことで 異性の服を着ること、着る人で
「女装」もしくは「男装」することですが
異性の装いをすることによって
安心感や心理的・性的満足を得る
性同一性障害者の一種と区分されます。
Xジェンダー(X-gender)は
自らの性について、男女どちらでもないと感じる
「両性」や「無性」や「中性」の性同一性を持つ人。
LGBTとは
最近、目にするようになった
LGBT(エル・ジー・ビー・ティー)は
L:女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)
G:男性同性愛者(ゲイ、Gay)、
B:両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、
T:広義に性同一性障害などを含む性別越境者の
(トランスジェンダー、Transgender)の
頭文字で、
同性愛や性別に違和感を覚える人のことを指す
セクシュアルマイノリティ(性的少数者)の総称で
性の多様性を現していると言えます。
LとGとBとT、それぞれ
深刻な差別や迫害を受てきた歴史の中で
性の権利を主張する過程において
「私たちは何者か?」という存在を
社会に認めてもらう必要性があり
名乗るときに使用する言葉を築き上げ
自分たちの世界を創った、LとGとBとT。
そして、
その4者たちの連帯活動により
「LGBT」となりました。
LGBTといっても
実際は実に多種多様で、
異性愛、同性愛、両性愛などの中でも
性的欲求がある人や
「無性愛者(アセクシャル、Asexual )」のような
性的欲求がない人もいます。
トランスジェンダーだからといって
男性、女性のどちらに移行するとも限りません。
性自認と性指向(恋愛対象)は人によって違うので、
枠に当てはまらない、自分の居場所に悩む人もいて
限りなく複雑で広い世界といえます。
ですから、
当然ながら、LとGとBとT以外の人たちもいて
セクシャルマイノリティの一部に過ぎません。
インターセックス、クィア又は、クエスチョニングの
頭文字を加え「LGBTIQ」とすることもあります。
インターセックス(intersex)とは
「中間的な性」を現す用語で
男女の外性器が分化されておらず
身体的に男女の判別が難しい状態の人。
クィア(Queer)とは
「変わり者」、「変態」の意味を持ち
かつては差別用語で、拒否感を抱く人もいますが
個性的な、前向きなという良い意味で
用いられるようになっています。
クエスチョニング(Questioning)
自分の性別や性的指向に確信がもてず
迷っている人、探している人。
など
バリエーションが様々で
LとGとBとT、
それぞれ違うコミュニティーで生きてますから
各コミュニティに属する人の中には
「あそこは好まない」「あそこと分離したい」など
抵抗感や見解が色々あり、
LGBTの共同体については議論されているようでが
みんながお互いに尊重し合える関係性を築けたら良いですね。
まとめ
はるか昔から
身体的性別に違和感を持つ人々が
存在してきたことは事実です。
心だけの人、性を欲する人
先天性の人、後天性の人
家族を持つことを希望する同性カップルなど
多様な性が溢れている現代です。
自分達の生き方にプライドを持ち
自信を持って社会生活を送っていても、
性自認と性指向に対して
セクシャルマイノリティの団体も増え
理解者がひろまったといっても、
まだまだ日本の日常生活では
オープンではないのが現状です。
日本人の多くはそんな自分を隠して
生活しているのではないでしょうか?
家族や関係者に
理解を求めるのも大変ですが
社会の認知は、さらに厳しい状態です。
自分らしさ、自分が生きる性ですから
本人の精神的なものも自由であり
身体を転換するのも、自己申告するのも
すべては本人の自由ですが
すべての責任を負うのも、あなた本人です。
当事者以外は
性の多様性に寛容になり
正確な知識と理解を深めて
「その人の個性」と認識し
個人の心情に、きめ細やかに温かく見守り
共存するしかない・・・
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