水金地火木土天海冥の9惑星だったのに冥王星が準惑星になり8惑星になった話

「水金地火木(すいきんちかもく)……」って 太陽系の惑星の並び順、覚えていますか?
 
太陽系の惑星名を太陽から近い順に並べた
「水金地火木土天海冥」こと
「すいきんちかもくどてんかいめい」とか
「すいきんちかもくどってんかいめい」とかで
覚えた方が多いのでないかと思います。

水金地火木土天海冥

2006年8月26日までの惑星は
「水金地火木土天海冥」
「すいきんちかもくど(っ)てんかいめい」
 
 ・水星
 ・金星
 ・地球
 ・火星
 ・木星
 ・土星
 ・天王星(てんのうせい)
 ・海王星(かいおうせい)
 ・冥王星(めいおうせい)の9つ
 
1979年~1999年にかけては
「水金地火木土天冥海」
「すいきんちかもくど(っ)てんめいかい」で
「海王星」と「冥王星」の位置がチェンジする時期がありました。
 
 
そして現在では
「冥王星」は「惑星」ではなく「準惑星」という天体に分類され
「水金地火木土天海」の「すいきんちかもくど(っ)てんかい」となり
惑星は8つです。

冥王星は惑星ではない

観測技術の進展により1990年代から
 海王星以遠で「さまざま天体」が発見されはじめ
 小さい冥王星は、その「さまざま天体」の
 ひとつなのではないかと考えられるようになり
 科学界で
 冥王星を惑星とみなすことへの論争を呼び起こすこととなりました。
 
 2000年代に入り、海王星以遠には
 冥王星より大型の天体が見つかり始め
 「惑星とはなにか」という議論が再燃することになります。
 
 
2006年8月26日の国際天文学連合(IAU)の総会で
 「太陽系の惑星と衛星を除くその他の天体」について、
 3つのカテゴリーに分類することを決議し
 「惑星」の新しい定義が決定されました。
 
 
決議結果を解釈すると
1.惑星は
 (a)太陽の周囲を公転している。
 
 (b)自身の重力によって球形になるほど十分な質量を持っている。
 
 (c)自身の軌道の周囲から近隣の他の天体を排除し
  きれいになくしてしまった。
  
2.準惑星は
 (a)上記と同様
 
 (b)上記と同様
  ただし、基準ぎりぎりの所にある天体を準惑星とするか
  他の種別にするかを今後、制定されることになる。
  
 (c)自身の軌道上から近隣の他の天体を排除してはおらず
  きれいになくしていない。
  
 (d)衛星ではないこと(衛星の定義はなされていない)。
 
3.太陽系のその他の天体は
  衛星を除き、太陽の周りを公転する上記以外の
  他の全ての天体は「太陽系小天体」と総称する。

以上により
「惑星の定義」の
「(c)自身の軌道の周囲から近隣の他の天体を排除し
  きれいになくしてしまった」という
  条件がクリアできていなかったのです。
冥王星は1930年に発見されて以来、
 太陽系の最果ての第9惑星として扱われてきましたが
 冥王星の軌道付近には似たような大きさの天体がたくさんあり
 「自分の軌道近くから他の天体を排除している」とは
 判断されなかったため、惑星の基準を満たさないとして
 準惑星に分類されることとなりました。
 
「惑星」という分類からは除外され
「準惑星」という位置づけになり「惑星」ではなくなったのです。
 
 
太陽の周りを回っているが
 その軌道付近の天体を掃き散らしていなければ、準惑星。
 
 準惑星の条件を満たしていなければ、太陽系小天体ということです。
 
つまり
 海王星以遠には冥王星みたいな星が多数存在していたし
 冥王星は惑星といえるような天体ではなかったということです。

冥海の理由

ある時は
「水金地火木土天冥海」
「すいきんちかもくど(っ)てんめいかい」で
「海王星」と「冥王星」の位置がチェンジする時があった理由というのは
 
 
水星から海王星までの惑星は
 太陽を中心に真円に近い軌道をもつのに対し
 冥王星は
 極端に細長い楕円形の公転軌道をしており
 さらに普通の軌道面と違って大きく傾いていて
 異常な軌道だと言われています。
 
太陽に最も近づく時が44億4,146万㎞、
 最も遠ざかる時で73億7,759万㎞まで距離が変化します。
 
 海王星と太陽の平均距離は約45億㎞ですから
 冥王星の楕円形の軌道により
 海王星軌道の内側まで入り込むことになります。
 
 直近では
 1979年2月7日から1999年2月11日までが
 海王星よりも内側に冥王星が入り込んでいた時期で
 海王星と冥王星の遠近関係が逆転し、
 「冥海」の順になっていたのです。
 
 冥王星が海王星の内側に入り込む期間は、
 約13年間と約20年間のものが交互に訪れると考えられていて
 太陽の周りを1周するのに
 約247.8 年もかかると言われていますので
 単純に計算すると
 次に順番が入れ替わるのは、2227年頃でしょうか。
 
 そもそも1周約247.8 年ですから
 1930年に発見されてからまだ1周していないのです。

太陽と月

太陽系(たいようけい)とは
太陽の引力の影響を受けて
太陽を中心に運行している天体の集団で天体を分類すると
 
〇太陽
 
〇惑星
 ・地球型惑星の水星,金星,地球,火星
 ・木星型惑星の木星,土星
 ・天王星型惑星の天王星,海王星
 
〇準惑星
 ・小惑星帯のケレス
 ・冥王星型天体の冥王星,エリス,マケマケ,ハウメア
 
〇太陽系小天体 
 ・小惑星(ケレスを除く)
 ・太陽系外縁天体(冥王星型天体を除く)
 ・彗星
 ・惑星間塵
  
  :太陽系外縁天体(たいようけいがいえんてんたい)は
   海王星よりも外側(軌道外)にある天体の総称
  
  :惑星間塵(わくせいかんじん)又は惑星間ダストは
   太陽系の惑星間空間に存在するダスト(塵)粒子
   
〇太陽以外の天体の周りを回る天体
 ・衛星
 
 
 
では
「太陽」は何かというと「恒星(こうせい)」の一つで
 自ら光を放つ星のことです。 
 
 天球に恒常的に固定された(完全に静止しているわけではない)
 星々という意味で名付けられました。
 
 また、夜空に輝くほとんどの星が恒星で
 恒星同士の距離や位置がいつも変わることなく、
 常に同じ場所にあることから「星座」が成り立ち
 星座は、恒星と恒星を結んで作られています。
  ちなみに惑星は
 自分自身では光を放っていません。
 
 惑うように移動して位置を変えて
 古来の天文学者たちを惑わす星として
 「惑星」と名付けられたといわれています。
 
 
では
「月」は何かというと地球の唯一の「衛星」で
 月は地球の周りを回っています。
 
 衛星は惑星や準惑星・太陽系小天体の周りを公転する天体で
 リングを構成する氷や岩石などの小天体は、衛星とは呼びません。
 
 太陽系では水星と金星以外の惑星などに衛星があります。

まとめ

現在
 
「冥王星」は「準惑星」で「惑星」ではない。
 
 
現在の太陽系の惑星は
 
 水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8つ
 
 
現在の準惑星は
 
 冥王星・エリス・ケレス・マケマケ・ハウメアの5つですが
 
 将来は増えるでしょう。
 
  
太陽系惑星の並び順の語呂合わせは
 
「水金地火木土天海」
 
「すいきんちかもくど(っ)てんかい」

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