日本酒の素敵な温度表現!日本酒は温度で味が変わる、世界に誇れる日本のSake

日本酒の味わい、愉しみ方は様々ですが

ひとつに、日本酒の温度があります。

 

冷酒から燗酒まで、

温度で愉しむことができる日本酒は

世界に誇れる、日本酒独特の魅力ではないでしょうか。

 

日本酒を飲む際には

「燗酒」「常温」「冷酒」と3種類でよく表現されますが

もっと細やかな、温度で変わるお酒の呼び方があり

そんな、日本酒の温度表現のお話です。

 

もちろん

日本酒の味も好みも、飲む際の温度も人それぞれで

人の感覚も千差万別ですから

決め付けるものではなく

あくまでも個人的感覚、感想として

お読み頂けます様、あらかじめご了承願います。

燗酒

飛び切り燗を更に越えた温度に対して

「超飛び切り燗」、「煮酒」と呼ぶなど

様々な表現が存在するようです。

 

1.飛び切り燗(とびきりかん) 55度前後

とにかく辛口が好きだ!という人向けで

刺激のある強い香りが凝縮して

酸味がグッと増すため、極めて辛い味わいとなり

最も辛口感を楽しめる日本酒。

非常に好みが分かれるところでもあります。

 

2.熱燗(あつかん) 50度前後

風味や香りが強くなるものもありますが

香りはシャープに、味わいはキレがよくなるので

キレの良い辛口となり

最も標準的な、お燗と言われる温度帯です。

 

3.上燗 (じょうかん)45度前後

適燗(てきかん)ともいい

程よい酒の燗で

柔らかなふくらみ感のある味わいで、

キリっと引き締まった香りが楽しめます。

 

上燗から上は、

温度が上がるにつれて香りや風味が引き締まってきます。

 

4.ぬる燗 40度前後

少し温かいと感じる温度帯で、

香りが最も大きくなり、コクが増して来ます。

 

これもまた

味わいにふくらみ感が生まれ

まろやかさな旨味が味わえます。

 

5.人肌燗(ひとはだかん) 35度前後

文字通り人肌と同じくらいで

人の体温より少し低めですから

少し温かいようなぬるいような感じの温度帯です。

 

口当たりもやわらかくなり、味にふくらみがあり

米本来の香りや旨味を感じやすくなります。

 

6.日向燗(ひなたかん) 30度前後

燗としてはもっとも低い温度帯で

ほんの少し、ふわっと温めたくらいです。

 

口に含んでも温かいと感じにくく

温かくも冷たくもなくといった感じで

ほんのり香りが引き立ち味にふくらみが出て

なめらかな味わいです。

某TVのドラマ「相棒」で

杉下右京が日向燗を注文するシーンでおなじみです。

常温

「冷や(ひや)」と呼ばれるものが常温です。

 

7.冷や (常温) 20度前後

冷や酒とも呼ぶ、冷やは

冷蔵庫などで冷やしたものではなく

あくまでも常温の日本酒のことです。

 

昔は、冷蔵庫が無く

常温もしくは、お燗で飲む習慣でしたから

お燗していない日本酒を区別して「冷や」と呼んでいたのです。

 

常温は

冷たくもぬるくもないといった感じで

日本酒本来の持つ味が最も味わえる温度帯です。

 

本来の味を損なわせる不純な味である

「雑味」も分かりやすいので

飲み手の好みにより

日本酒によっては美味しく味わえない物もあります。

冷酒

上記の中にも「要冷蔵」はありますが、

ここからは、大きく冷蔵庫が活躍します。

 

8.涼冷え(すずびえ) 15度前後

目安は

冷蔵庫から出してしばらく経った頃です。

 

華やかな香りが立ち上がり

穏やかでバランスの良い味わいで

フルーティーさやフレッシュさが楽しめます。

 

日本酒は、

冷やす程に爽快感が強くなり

シャープさが増し引き締まった味になります。

 

9.花冷え(はなびえ) 10度前後

「冷やして」などと言われる場合もあり

冷蔵庫で数時間程、冷やした状態で

触ると冷たい感覚が手元にすぐ伝わってきます。

 

香りが段々弱まり、

まろやかで爽やかになり

まとまりのある、きめ細やかな味わいです。

 

フルーティーなタイプでは

ホンノリ甘い香りを感じ

生酒等は

新鮮さを生かしたシャープな味わいです。

 

天気予報などで

桜の咲く頃、寒さ戻りのことを

「花冷えの季節」とよく聞きますね。

 

10.雪冷え(ゆきびえ) 5度前後

冷蔵庫で数十時間程、

瓶に結露ができて冷気が見えるくらいの冷たさ。

かなり冷たいです。

 

のど越しはすっきり爽やかですが

日本酒独特の香りは、ほとんど感じにくく

味わいや甘味や旨みなども少なくなりますが

口に含み、口の中で温度が上がると

シャープな甘味や旨みが現れてきます。

 

11.霙(みぞれ)

冷凍庫で静かに冷やした清酒を

グラスに注ぐと、みるみる氷結して

シャーベット状の「みぞれ酒」が出来あがります。

 

通常、清酒はマイナス8℃前後程度で凍りますが

凍らせないよう静かに冷やすことで

本来、液体が凍り始める凝固点を過ぎても冷却され続け

マイナス12℃~15℃程度まで液体の状態を保持し

この状態を「過冷却」といいます。

 

その過冷却状態で「衝撃」が加わると

一瞬で凍るようになりますから

グラスに注ぐという衝撃によって

目の前のグラスの中で一瞬にして凍り始め

シャーベット状態になります。

 

過冷却状態にするのが難しいのですが

見た目が雪景色のように美しく

口に含むと、ふわっと雪のように溶けて

さっぱりとした香りと味わいが広がり

視覚的にも楽しむことができます。

まとめ

素敵な日本語でまとめられた

日本酒の温度表現ですが

日本酒の同じ銘柄であっても

その時の体調や気分によっても

飲用温度の違いで様々な味わいになりますので

色々な温度で、新たな味を愉しみながら

日本酒の魅力の世界を広げてみて下さい。

 

一般的に

常温で飲んだ際に、酸味が利いていて、

ふくよかな味わいの日本酒がお燗に向いています。

 

日本酒によってその特徴がまちまちですが

製品ラベルに

(必ずしも記載されているとは限りませんが)、

推奨された飲用が記載されていますので

そちらを参照にして美味しく頂いて下さい。

 

では

最後に日本酒の「味わい・香り」を

4タイプに分類したものです。

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会

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